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「鯉とりまあしゃん」という方をご存知でしょうか?
福岡に実在した伝説の鯉とりの名人です。
ソフトバンクの孫社長は、部下に、「交渉の秘訣は、鯉とりまあしゃんに学べ」と話してい
たそうです。
まあしゃんの鯉とりの手法は、鯉を腕に抱くというものです。
彼は、鯉とりをする数日前から、栄養価が高いものを食べ、当日も河原のたき火でじっくり
からだを温めます。
そのまま川に入って水中に横たわると、人肌の温かさを求めて鯉が集まってくるので、それ
を赤ちゃんを抱くように、腕に抱いてそっと受け止める。それがまあしゃんのやり方です。
1日に100匹、全長95mの巨大な鯉を捕まえたこともあるそうです。
巷では、士業のマーケティング本やセミナーであふれています。ホームページ、セミナー、
SNSといった「マーケティングツール」、「ターゲットマーケティング」、「マーケティ
ングミックス(4P)」「ブルーオーシャン・レッドオーシャン」…。この業界もマーケ
ティングが必要なんだと叫ばれています。
私も、診断士という資格を有していることもあって、マーケティングの重要性・有効性は実
感しています。しかし、弁護士業は、地域に根付いて、長期間かけて行っていくものです。
マーケティング手法を導入し、効果があったとしても、地域のお客様の長期的な支持がなけ
れば、効果は一時的なものとなり、「一発屋」におわってしまいます。
鯉が人肌を求めるように、「この人(弁護士)なら安心」という状況があれば、お客様は
自ずから、その事務所に依頼をするのではないでしょうか。
日々の研さんを忘れないこと、一つ一つの事件を誠意をもって取り組み、地域のお役様の信
用を長期間かけて少しずつ築いていくことが、長期的にみると、最高のマーケティング方法
なのだと思います。